【閲覧注意】
つきあってます。
猫の日ネタ。隼人が猫耳カチューシャをつけて、猫尻尾のアナルプラグを挿れます。若干弁慶がS気味。ちょっとお下品なセリフあり。受けが攻めの乳首含め身体を舐めるシーンがあります。
弁慶のお願いを聞いて猫コスする隼人のお話。隼人寄り視点。セックスはしますが、描写は前戯までです。
何だかんだ、弁慶が大好きな隼人。約6,000文字。2022/2/22
隼人が可愛くすけべに書けたな~と思っていて、お気に入りです。
◆◆◆
隼人の頬が引きつる。ただでさえ気難しい表情が一層、険しい。弁慶は拝むポーズで固唾を呑んだ。
「……」
鋭い視線が弁慶を射る。
「…………どっちかにしろ」
ドスの効いた声。すぐに弁慶が口を開く。
「い、いや、これ、セットだから! これで『ひとつ』だ!」
「……」
「なあ、頼むよぉ」
合わせた手のひらをすり合わせる。
「隼人ぉ」
ち、と舌打ちが聞こえてきた。
「……お前の猫撫で声は可愛くない」
せめてもの嫌みを投げて、隼人は溜息をついた。
† † †
「なあ、俺がひとつ、お前の言うこと聞いてやるって言ったら、何か欲しいものとかしたいこととかあるか?」
発端は弁慶の何気ない問いだった。
「言ったら叶えてくれるのか」
「うーん、高いものは無理だけど……できるだけ」
「急に何を」
隼人は眉をひそめる。「つきあい始めて◯週間」のような記念日でもないし、世間的にもイベントの日ではない。
「いや、花の一輪もあげたことないしな、と思って」
「もらっても困る」
「まあ、そうだろうけどよ」
弁慶が苦笑する。
「高性能なパソコンとかか? うーん、けどな」
デスク上のノートパソコンをちらりと見やる。
「研究所にもいっぱいあるだろうし、あのくらいでも、買うとなったら相当高いよな」
「分析や計算は特化したものがすでにあるからな。そういう意味では特に必要ないな」
「だよなあ。そうすると、酒か食い物か?」
「食い物も特にない。強いて言うなら、酒はあっても困らない」
「でもよぉ」
左手で頰づえをつき、溜息混じりに言う。
「あんまり特別感がないよなぁ」
「いったい何がしたいんだ」
話が見えない。隼人は腕を組む。
「あ、いや、何かプレゼントしたいと思って」
苛立ちを感じ取り、弁慶が慌てて答えた。
「せっかく恋人同士なんだし、お前の喜ぶ顔が見たいし」
「…………」
寝耳に水とはこのことか。
隼人の目つきと頬の筋肉から緊張が消える。
「何かの記念日とかじゃなくても、そういうのもいいなあって」
弁慶が照れくさそうに笑う。
そんなことを言われたのは初めてだった。
「……いや」
毛羽立ち始めた心があっという間に静まる。
「別に……いい」
毒気を抜かれただけではなく、思わず子供のように首を横に振る仕種までつける。
『恋人同士』『喜ぶ顔が見たい』と言われて嫌な気分になるはずがない。
「…………」
弁慶の科白を頭の中で繰り返す。すると奥のほうが少しだけぼうっとして、寝ぼけているような感覚に陥る。
「遠慮すんなって」
「……いや、本当に……今は、ない」
もう、このやりとりだけでひとつ貰ったようなものだった。
「そうか? じゃあ何か欲しいものができたら言ってくれよ。まあ、何でもは無理だけどな」
「…………ああ、そうする」
ゆっくりと頷いた。
クリスマスだのバレンタインデーだの、何かとはしゃぐのはもっぱら弁慶で、隼人は誘われて気が向けば応じる程度に過ぎなかった。正直、必要性を感じないし、騒がしい催しは苦手だ。
ただ、弁慶が楽しそうにしているのを無碍に断るのは何だか気が引けた。我慢してまでやりたくはないが、自分に馴染みがないだけなら一度はつきあってみてもいいとまでは考えるようになっていた。
隼人にしてみれば、純粋に相手のために何かをしたいという気持ちが湧くこと自体が不思議で仕方がない。
今の話も、ベッドでの行為以外でねだってもいいのだと思うと妙な気がした。甘える自分が想像できないし、うまくできる自信もない。それでもじわじわと嬉しさが込み上げてきた。
そうなると、自分も訊ねずにはいられなかった。
「お前はどう、なんだ」
「ん?」
「その…………俺が何かひとつ、言うことを聞くとしたら」
弁慶が固まる。
「何が欲しい?」
表情を崩してはいないつもりだが、慣れぬことをして探るような、不安そうな顔つきになっているかもしれなかった。こんな自分になるのも、きっと相手が弁慶だからだ。
「ほ、本当か……?」
大きな目をやっとまばたきさせて、弁慶が訊き返す。
「本当にお願い事、聞いてくれるのか?」
「……できる範囲でだが」
口にした以上、可能なものは応じるつもりだった。
「そ、それなら」
弁慶が立ち上がり、テーブルに手をついた。そわそわと瞳が落ち着かない。それでいて、妙に熱っぽさがある。
「それなら、よぉ——」
ごく、とその喉が動いた。
† † †
そっぽを向く仏頂面に猫耳、引き締まった臀部からは尻尾。
「は、は、隼人ぉ……っ!」
弁慶から感激の声があがる。
隼人は今や凶悪な目つきの猫だった。
「……何でこんなものがあるんだ」
黒猫耳のカチューシャと、お揃いの尻尾がついたアナルプラグ。尻尾の先は曲げて形を保てるようになっていた。
「いつか隼人につけてもらおうと思って」
尻尾の角度を整えながら弁慶が屈託なく笑った。
「よし」
大きく頷き、隼人の全身をしげしげと眺める。
「やっぱり隼人は黒猫だな!」
何が「やっぱり」なのか。隼人の眉間の皺が深くなった。
「黒猫って縁起悪いとか言われるけどよ、カッコよくて神秘的で……それから、毛もつやつやしてて綺麗だよな」
弁慶の指が隼人の髪の毛を撫でる。
「——」
それだけで、まるで自分が褒められている気になった。
「おまけに」弁慶の指が今度は隼人の顎にかけられる。
「可愛い」
くい、と正面を向けさせられ、キスをされる。
「——ん」
初めから深く、とろけるような口づけ。隼人もすぐに舌を絡めて応えた。一寸前の不機嫌な面はどこへやら、一瞬で情欲が溢れてくる。
「ん、ふ…………っ、は、んん……っ」
弁慶の首に腕を回そうとしたときだった。す、と巨体が離れる。
「……?」
後ろに手をつき、軽く上体を反らす。
「猫は舐めて毛づくろいするよな」
「……な」
「舐めるのは、愛情の印なんだってな」
黙れ、と一蹴したくなるような科白。けれども邪気のない顔で言うものだから、怒る自分が馬鹿らしくなる。
「この野郎」
だが素直に従うのも悔しいので、ほんの少しだけ悪態をつく。
「調子に乗るなよ」
それから膝立ちで近づき、首元に抱きついた。
「んっ」
唇にキスをすると、大きな手が腰に回された。さわさわと優しく背中を這う。
「ん……あ……っ」
心地いい愛撫に小さく喘ぎながら、隼人は弁慶の肌を舐め、キスを落としていく。
頬、首筋、肩、胸。乳首を舌でつつくと弁慶が身をよじった。
「うひゃ……っ、くすぐってえ」
嬉しそうに笑いながら、隼人の耳元に触れる。
「ああ〜、隼人の顔、エッチでいいな」
太い指でくすぐられ、隼人は猫がするようにきゅっと目を細めた。
やがて、弁慶の股ぐらに顔を沈める。すでにペニスは挿入できるほど硬くなっていた。指を陰茎に巻きつける。
「おっ」
ひくりと肉塊が動く。
隼人は竿の根元にちゅう、と軽く吸いつくと、そのまま唇を上に滑らせた。
「お、おっ……」
わずかに舌の先を出して遊ばせながら、ちゅ、ちゅ、と吸っていく。くびれ部分まで到達すると、今度は舌を出してぺろぺろと舐め出した。
「あっ、あ、隼人……!」
いつもより軽くて可愛らしい愛撫がもどかしいのか、弁慶の腰がくいくいと動いた。
「じれったいけど……これ、興奮する」
隼人の頭を撫でた。
「なあ、タマのほうも舐めてくれよ」
「……ん…………ふ」
微かな吐息を残して隼人の唇が下に向かう。四つん這いになり、柔い皮膚を吸っては口に含む。動作に合わせて下肢が自然とくねり、黒い尻尾がふりふりと動いた。
「……あ……ん、んむ……」
ふと見上げると、じいっとこちらを見つめる目があった。はち切れんばかりの肉欲に満ちた弁慶の瞳。
「——っ」
ぞくりとした感覚が腰の奥に生まれる。
「ん、ん……あ」
静かに流れていた熱が急激に盛る。頭の底がじんとして、たがが外れ出したのがわかった。
「はあ……っ、あっ……」
身体が熱くなって、呼吸が速くなる。
くぷ、と亀頭を咥えると、我慢できずに頭を動かし始める。
「ぐ……ん、んっ……んっ」
ストロークを繰り返すたびに鼻声が漏れた。
「おおっ、はや、と……お、うっ」
深い快感に、弁慶が思わず目を瞑る。
「お、お、隼人……っ、気持ちいいぞ……」
「ん、ふっ…………ん」
加速度的に情熱が増していく。隼人が夢中で貪れば、タフだと自認する弁慶もいいように搾り取られる側だった。まっすぐに昇りつめていく。
「おっおっ」
びくびくと弁慶の下腹が震える。
「隼人っ、出る、出るぞっ」
「ん、ぐ、あっ——」
唇から外れた瞬間、びゅる、と勢いよく精子が放たれた。隼人はすぐに咥え直すが、一番濃い部分はその頬に淫らな印を塗りつけていた。
「んっんっ」
ぢゅうっ、と亀頭を吸い上げる。
「おあっ……はやと……っ」
弁慶は太いままの陰茎を隼人の咥内に二、三度突き入れた。
「……ふ、ふう……っ」
やがて弁慶がゆっくり腰を引く。隼人の口から唾液にまみれた肉棒が引き抜かれた。
「顔についちまったな」
指で拭う。
「…………べんけ、い」
隼人はその指にも舌を伸ばした。
「隼人」
うっとりとした瞳で弁慶の指を舐め、舌先で精液を掬い取る。
「…………猫ちゃんはやっぱり、ミルクが好きなんだな」
弁慶がにやりと笑った。
「……はっ、はむ……、ん、ん」
「……可愛いな、猫ちゃん」
粘っこい弁慶の声のあとで、カチ、と乾いた音が鳴った。
「————っ⁉︎」
尻の中が振動する。
「——あっ! あっ‼︎」
びくん、と隼人の身体が跳ねる。
「おっ……あっあっあっ、あっ!」
ぶるぶると身悶えながら、隼人が鳴いた。
「べっ、弁慶……っ、あ! んあっ!」
「それ、バイブもついてんだよ」
「な、な……っ」
「俺、猫の鳴き声って可愛くて好きなんだよな」
手のひらに小さなリモコンが乗っていた。
「これ、大きさの割にいろんなモードがあるみたいだぜ」
「んあうっ!」
単なる振動だけではなく、うねるような動きが加わる。隼人は思わず上体を伏せる。
「あぁっ、あんっ、あっあっ!」
「えっへっへぇ、猫ちゃんはバイブが気に入ったみたいだな。尻上げて、そんなに振っちゃって」
「あんっ、あっ、てめっ……うあっ」
「んっ⁉︎」
かり、と隼人の爪が弁慶のペニスを引っかいた。幸い、傷ができるほどではない。
「ああ、びっくりした。……おいたをする猫ちゃんは、躾が必要だな」
またカチ、と鳴る。
「うあっ⁉︎ あっ、あっ、ああんっ!」
ぎゅっと固く握り込まれた拳はまさに猫の手だった。
「あっあっ、べ、ん……あっ、あぁっ‼︎」
絶え間なく内側を揺さぶられ、高まっていく。ただ、イクには深さも強さも今ひとつ足りなかった。
「く、あ、あ、あ、あっ」
「隼人」
抱き起こされる。
「はあっ、はっ、あ——んぶっ」
キスをされ、舌をねぶられる。粘膜を弄ばれる快感に力を奪われ、だらしなく開いた口の端から唾液が伝い落ちていった。
「んっ……んんっ⁉︎」
突然、胸の先にびりびりとした刺激が走る。
「触ってやらなかったからな、いつもより感じるかな」
勃っている乳首を指で挟んで、きゅうっとつねる。
「————っ!」
「お、軽くイッたか? 今日の一発目は乳首か」
弁慶は指先でくりくりといじり続けた。押し込んで、こねて、またつねる。隼人が泣き出しそうな声で身をよじる。
「あ、ひっ……やめっ……ああ、あんっ、あっあぁっ」
「まぁた嘘ばっかり。こんなに腰へこへこさせてよぉ」
「うぁっ!」
乳首を強く吸われ、一瞬意識が遠のく。
「……またイッっちゃったのか?」
笑うと、隼人のひくつく身体を仰向けに押し倒した。
「ひ……ん、あっ……」
「猫ちゃん、ここ、さすられるの気持ちいいだろ?」
大きな手のひらが腹を撫でる。強弱をつけ、乳首をかすめてはへその下まで滑り、隼人を煽った。
「あっ、あっ……気持ち……いっ、あぁっ」
ぞくぞくとする感覚はすぐに下半身に流れ込んでいく。ペニスは完全に勃起し、絶えず尻穴から湧き出てくる快感に合わせて揺れていた。
「べん、けぇっ……っ、う、あっ……」
「こっちも全然触ってないのに、すげえな。いつもより出てる」
「ひあっ!」
弁慶の指が先端をくにゅ、と押す。離すと我慢汁が糸を引いた。何度かタップしては指の腹をくるくるとさせてくすぐる。隼人がつらそうに眉をしかめた。
「べんけ……っ、ん、くそ……っ」
ペニスも穴の奥も、もう少し刺激があればイケそうなのに。
「いっ、いつまで……んあっ、これっ、んっ!」
「だってよぉ、可愛いんだもんなあ」
ペニスを軽くしごく。隼人はもうされるがままだった。
「あっ、あっ、あっ」
「けど、あんまりいじめるのも可哀想だしな」
ぐ、を膝を押し上げて股を広げる。バイブの振動と隼人自身のひくつきで黒い尻尾の根元は震えていた。
「ほら、抜いてやるから」
「んうっ……!」
そっと、ゆっくりとプラグが抜かれる。
「あっ……ああ……っ、ふ、う……」
「物欲しそうにしてる」
ひくひくと蠢いている口の周囲を撫でると、抗議するように尻が左右に揺すぶられた。
「そんなに急ぐなよ。今、挿れてやるから」
中指を肉に埋めていく。
「ひっ——あ、あっ!」
隼人の腰が浮き、進んでくる指を飲み込む。
「ああっ、あっあっ」
「奥のほう、寂しかったんだろ」
「あ、んっ! はあっ、は、あんっ!」
プラグでは届かなかった場所をこすられ、悦びに舌を出して喘ぐ。
「いっぱい撫でて突いてやるからな」
「あうっ! あっ、ああぁっ!」
「たくさん鳴いたら腹が減るだろう? そうしたら、ミルクをたらふく飲ませてやるからな」
「んうっ‼︎」
引き締まった身体が強張り、小刻みに痙攣する。
「イッたのか。けどまだ一本だぞ。頑張れよ、ね・こ・ちゃ・ん」
「あっ……あっ! ね、猫っ……? ね、んあっ、あっ!」
隼人はいまだ猫耳姿だった。その顔はすでにとろけきっている。自分がカチューシャをつけていることも忘れているようだった。
「そう、俺の可愛い猫ちゃん」
満足気に目を細め、弁慶は二本目の指を隼人の中に沈めた。