いいなり

新ゲ隼竜R18

つきあっていないです。
隼人←竜馬。竜馬がオナバレして、隼人の鬼畜スイッチが入るお話。竜馬もスイッチ入っちゃいます。竜馬の一人称。0721の日ということで。約900文字。2021/7/21

2022年のネタ(R18)→『その指が欲しい

◆◆◆

 ——バレた。
 バチンッと頭と身体のスイッチが切れたと感じた。
 それから、頭の中が白くなるってえのは嘘なンじゃないか、真っ暗だぞ、とぼんやり思った。ごまかすとか、キレて追い払うとか、少しでもマシにする方法は一切浮かばなかった。
「ああ、済まない」
 こんな時くらいしか、きっと隼人は謝らない。
「う……いいから、消えろ、よ」
 緊張か、バツの悪さからか、掠れた声しか出ない。
 隼人は回れ右をしドアに近づきパネルを何やら操作して——戻ってきた。
「ロックしてきた」
「…………はあ⁉︎」
「元はと言えば、お前がオートロックを解除したままなのが悪い」
「んなっ⁉︎」
 おめえが声もかけずに入って来たンじゃねーのか、と言おうとして呑み込む。もしかしたら、自分が聞こえてなかっただけかもしれない。
「悪かったな、詫びをしよう」
 ずい、と隼人がベッドに上がり込んでくる。下半身を露出して無防備な俺は、後退りするしかない。
「何……考えてやがる」
 ヤバい予感がする。
「お互い裸なぞ着替えや風呂場で散々見慣れている。今更、恥ずかしがるものでもあるまい」
 隼人がにじり寄る。
 ベッドの端まで追い詰められる。もう、壁際だ。
「……俺を……好きでもないくせに」
「お前の弱みを握れるなら、何でもするさ」
 前髪の隙間からギラリ、と鈍く光る目で見つめられる。瞬間、ゾクゾクとした感覚が全身を貫いた。
 ——ああ、この目だ。
「さっき、俺の名前を呼んでいただろう?」
 ——もう、ダメだ。
 俺の中のスイッチが、今度は入った——切れた時より、大きな音で。
「俺のことを考えて、オナニーしてたんだろう?」
 耳元で囁かれて、イキそうになる。
「俺を抱きたいか? それとも、俺に抱かれたいか?」
 首筋に隼人の指が触れた。ひやりと冷たいのに、そこから熱が生まれて、身体が火照る。
「は……はや、と……」
「なあ」
 唇が近づく。もう片方の手が、俺の腿を這い上がる。
「竜馬、どうしたい?」
「は、隼人に…………」
「俺に?」
「……抱かれ、たい」
 隼人はニヤリと笑って、俺のモノに手を伸ばした。
 頭の中が真っ白になって、それからのことは覚えていない——。