新ゲ竜馬って、新宿時代はやり過ごしたりそれなりに楽しむ術を見出してはいたんだろうけど、一岩さんから教え込まれた技を思い切り揮う場所もなくて、きっと世界に弾かれた気になる日もあったと思ってる。普段は明るく軽そうに振る舞ってる竜馬がひとりきりになると鬱々としているの、キツイけどだからこそあばダチに繋がるベースになりそうだな。
別の作者さんの漫画だけど、そこの「流兄ちゃん」とおんなじで「本気を出しちゃいけない」って考えてたところ、あると思う。出したら人コロしちゃうし。
だから、早乙女研究所に拉致られて、ある意味「自分らしくいられる場所」を手に入れたのだと思う。思い切り暴れても研究所はバリアがあるし、自分が頑張れば人が死ぬことはないし、むしろ助けられるし。闘うこと自体は嫌いではないし、父親への陰口を叩かれることもないし(借金こさえてガラの悪い息子を持って本人もどうたら~みたいなのありそう。竜馬が昇段試験で相手をボコったのもそういうお父さんを貶めるようなこと言われたんだと思う)。
それに、初めて背中を預けるということを知って、そう値する人間がいるのだと知って、彼らを仲間と認識してようやく一緒に闘うというところまで行ったのに。
せっかく自分の居場所ができたと思ったのにね。
しんどいときは寄りかかっていいんだよ、仲間を頼っていいんだよ、ということを知らないで(もしくは知っていたけどそうしようとする自分が許せなかった)ひとりで行っちゃった竜馬が哀しくて寂しい。
それは気高い行為でもあるんだけど。
でも、隼人も弁慶も「本当に地獄があるのかこの目で見ないとわからんもんでな」「今こそ和尚様の教えが活きるとき」とか言いながら地獄に飛び込んできてくれると思ってるよ…。