つきあってます。
「先にイッた方が罰ゲームとしてオナニーを見せる」と勝負を持ちかけて案の定負ける竜馬の話。0721の日ということで。
・シックスナイン勝負
・冒頭から勝負始まってます
・竜馬のオナニーはアナニー(普段からしている前提)
・竜馬の自慰を見て盛り上がった隼人が罰ゲーム関係なくオナニーし始めます
・隼人はSっ気あり
・お話は本番まではいきません(あとは皆様の脳内でお楽しみください)
約8,000文字。2022/7/21
去年のネタ(R18)→『いいなり』
◆◆◆
「んぐ、ふ、んうっ……」
隼人のペニスを頬張ったまま、竜馬が苦しそうに喘ぐ。息とともに、ぐじゅ、と涎が溢れ、濡れている陰茎に垂れる。
「ン、ふ……ンんっ」
首を小さく振り、気を保とうとする。しかしその舌先に力はなく、ただ惰性でペニスを愛撫しているようなものだった。
「どうした? 自分から誘っておいて、もうダウンとはな」
「ふ、ふうへ……っ」
うるせえ、と明瞭には言えない。隼人は指先に軽く力を入れる。
「……ッ!」
竜馬の腰が揺れる。弾みで先走りが下になった隼人の肌にぱたぱたと滴る。隼人は一向に気にする様子もなく、わずかに指をあてる場所をずらし、また圧をかけた。
「んあっ!」
思わず口を離し、竜馬が鳴く。
「や、やめ……、あ、あっ」
「気持ちいいんだろう?」
会陰部をそっと揉むと、竜馬のアナルが悶えた。
「挿れて欲しそうにしているな」
「っ! だ、だめ、っふ、あ」
きゅっと拒むように窄まる。
「勝負だからな。ズルはしないさ。だが」
「ああんッ」
きゅう、と押され、一際高い声があがった。普段の生意気さはどこへやら、愛らしくよがる。
「使える手は全部使う」
「んあっ、あっ、あっ」
「イクか?」
「あっ、ま、まだ……っ、く、ぅ」
隼人はそうか、と素っ気なく言うと、左手はそのままで、もう片方の手で内腿を撫で上げた。
「あっ!」
びくん、と竜馬の身体が跳ねる。付け根まで行くと親指の腹でしつこくくすぐった。
「ふ、あ、あ……あぁっ」
ねだるように下肢が揺すぶられる。隼人は手を滑らせ、尻をなぞった。
「っんぁっ!」
幾度も下から持ち上げるように愛撫する。そうして高めてから、震える尻たぶをぎゅうっと鷲掴みにした。
「んあぁッ!」
一旦感じ始めると、あとは昇り詰めていくだけだ。中で達する快感を覚えさせられた肉体は、いつだって欲に素直だった。
尻を揉みしだき、撫でさする。隼人の手に合わせて竜馬が身悶える。
「ん、あっ、負け、ねえ……!」
互いに横向きになっていたものを「こっちのがいい」と上下に変えさせたのは竜馬だった。そのほうが自由に頭を動かせる。跨られた隼人は逃げ場がない。絶対に自分のほうが有利だと思った。
添えるだけになっていた手に力を入れ、隼人のペニスをこすり上げる。萎えず、竜馬と同じように先端を濡らし続けているにもかかわらず、まだ射精の気配はない。
「てめ……っ、不感症、じゃねえ、のっ、んぅっ」
「そう思うなら頑張れよ」
丸い尻を弄んでいた指が滑り、窄まりの縁ぎりぎりのところをなぞった。
「ああぁ……っ」
じれったそうに、そこが開いては閉じる。
「やめたいなら言えよ。そうしたら、ここに指を挿れてやるぞ」
「ンなっ」
「見りゃわかる。挿れて欲しくてたまらないんだろう?」
触れるか触れないか。絶妙な距離で煽る。
「あ……っ、あ、はあ……っ」
尻を突き出せば今にも挿入りそうだった。本音を言えば欲しい。だが勝負を壊すような真似はしたくない。
「くそ……っ」
舌先で鈴口をほじる。隼人の腰がびくりと反応し、手が止まった。
「へ、へへ……さすがに、ここは感じるって、か」
舌の上に唾液を溜め、わざと水音を立てて先端をしゃぶる。しかし再び隼人の手が動き始めると、あっという間に劣勢に陥った。
急速に力が抜け、竜馬の頭がかくりと落ちる。
「ま、だ、うあ……っ」
唇では抗戦を誓うが上体を起こせない。舌を伸ばし、懸命に根元を舐める。けれども再度の反撃は敵わない。対し、隼人が決定的な刺激を与える。
「————ッ⁉︎」
ペニスが熱くて柔らかいものに包まれる。
「あっ! あっああっ」
隼人の口に含まれ、同時に指先で責められる。それだけで十分だった。
「あ、あ、イキ……そ……っ」
竜馬がひくつく。
すると、握ったままの隼人のペニスが反応を見せた。
「……っ!」
手の中で張り詰める。竜馬はせめて道連れ、と吸いつく。隼人の震えが唇に伝わった。
「イ……ちまえ……っ」
亀頭部分をしごくと、微かに隼人の呻きが聞こえた。
「イケ、よ……」
しかし、そこまでだった。竜馬の動きが止まる。
「あっ、あ……やっ、あ——あ゛あッ!」
まるで電流だった。一瞬にして脳天まで突き抜ける。竜馬の引き締まった肢体が大きく跳ね、硬直した。
「……イッたか」
隼人がペニスから口を離す。竜馬は隼人の指に押し上げられ、中で達していた。
「う……っ、ふ、あ……っ」
まだ小刻みに揺れている。隼人は両の手で下から尻を掴む。
「んあッ!」
竜馬の顔は見えない。だがそれが却って興奮を引き立てるのか、隼人は満足げに唇の端を上げると、ひくひくと喘いでいるそこに口づけた。
弁慶が戯れに言い出した。
「今日って何の日か知ってるか」
日付けを言われても意味はわからなかった。けれども弁慶が懇切丁寧に語呂合わせを説明してくれたおかげで、悪戯心が頭をもたげた。
行為自体は当たり前だし、訊かれたら隠し通すものでもない。ただ、大っぴらな見せつけ合いはしたことがない。せいぜいセックスの最中に高まって自分のペニスをこするくらいだ。
だから、隼人がどんな表情で自慰をするのか興味があった。何に感じて、どんなふうに吐息を漏らすのか。
勝負も、単にジャンケンや腕相撲だと味気ない。せっかくだから、少しでも高揚感が欲しい。ふたりで楽しめるなら、もっといい。
先にイッたほうが罰ゲームでオナニー見せるってのはどうだ?
自然にそうなった。隼人は目を丸くしたが、すぐにニヤリと口元を歪めて誘いに乗った。
勝てると思った。
いつも舐めて咥えれば、隼人はこらえきれずに吐息を零す。そのまま口の中で達することもある。自分だって巧いのだと、隼人の感じるツボを把握しているのだと自負していた。
けれども、よくよく考えれば不利だとわかったはずだ。感じるところは全部、隼人が快感の芽を植えつけていったのだから。
それにしたって、まさか皮膚の上から前立腺を刺激されるとは思ってもみなかった。隼人が「射精したら、との条件はなかったからな」と言い出すような男であることをすっかり失念していた。警戒心が働いたとして、そんな方法があるのは知らなかった。「俺のケツに何か挿れンのはナシな」と付け加えていただけマシで、どのみち竜馬が負ける確率は高かったのだ。
心の中で舌打ちをしながらも、勝手に速くなっていく鼓動に気づかない振りをする。
「ずっと勃ったままだな」
隼人が笑う。焚きつけるように、それからほんの少しだけ下卑たように。
「……ッ」
その目で見つめられ、腰の奥が疼く。
「……出してねえから……しょうがねえだろ」
ペニスを握る。
——隼人の前で。
改めて状況を考えると、恥ずかしい。だがその向こうに快感の気配を感じた。
「っ、は、あ……っ」
しごき始めると、隼人の手が伸びてきて止められた。
「な……」
「こっちじゃない」
「え? 『こっち』って——」
意図に気づき、目を見張る。
「見せてくれ」
絡みつくような眼差しにさらされ、またずくりと疼いた。
「…………ッ」
赤くなった顔で、差し出されたローションのボトルをひったくる。無言のままヘッドボードに枕を立てて寄り掛かると、眼前の隼人に向けて脚を大きく広げた。
下腹部をせり出して尻穴が見える体勢を取る。同じ指なら隼人の指が欲しい。肌は幾度もなぞられた感触を覚えている。肉も、柔くこねられる快感を知ってしまっている。
けれども、勝負の結果だから仕方がない。約束は約束だ。
ごくん、と唾を飲む。
ローションを右手の先に垂らす。隼人の視線の先を確かめ、竜馬は自分の指で慰め始めた。
「ん、ん……」
隼人によって緊張はほぐれていた。薬指をあてると、すぐに飲み込まれていく。
「う……は、はあ、あっ……」
円を描くように動かす。一本くらいなら問題ない。中指に替え、押し込んでいく。
「んあっ、あ、あ……っ」
内側から快さが染み出てくる。じわりと肉壁を侵食し、ゆるやかに、だが確実に竜馬を昂らせていく。隼人に目をやると、じっとそこを見つめていた。
震えが走る。目の前の光景が脳の奥を揺らして、竜馬の中をくすぐった。
「あっ、あっあっ」
指を抜き差しするたびに声が漏れてしまう。普段、ひとりでするよりも感じていた。
「う、ん……っ、あっ」
目蓋を閉じて味わう。すると、両の膝頭に手の感触があった。
「ン、あ……!」
少しずつ閉じられてきていた脚を押し広げられる。執着が滲む隼人の目つきを想像すると、より一層敏感になる。吐息とともに睫毛を上げると、こちらを凝視している隼人と目が合った。
「——ッ」
鼓動が大きくなった。びく、と尻が動き、指が締めつけられる。
「あ、あ……っ」
火照った身体がさらに熱くなる。
「竜馬」
「んっ」
呼ばれただけで中がひくりと喘いだ。
「いつも、こうやっているのか?」
「っ……」
「なあ、竜馬……」
聞き慣れた声。抱きしめられて眠るときは安らぐのに、今は身体の芯に響いて、ただ興奮をもたらす。
「い、いつも、は……っ、ンっ」
腹の上に置かれた左手がきゅっと握られる。
「いつもは?」
隼人の手が滑り、内腿を撫でる。
「あっ……あっ」
「その左手はどうしている?」
「ん、あ、あ」
一度は開かれた手が、ためらいに再び握りしめられた。隼人は腿の裏側をさすり、促すようにまた付け根へ向かって撫で上げた。
竜馬の左手がそろりと自身の胸に伸びる。
「それから?」膝にキスが落ちる。
「そ……それ、から……あぁっ」
薬指で乳首をいじり出す。それまでこらえていたものがふつりと途切れるように、竜馬の顔つきがゆるむ。
「あ……あんっ」
指の側面で乳首の下をこすり、乳頭を撫で上げる。指の腹でこねては二本の指できゅっとつまみ上げる。切なげに声を漏らして竜馬がよがった。
「あっあっ」
「こっちが留守だぞ」
「ッ⁉︎」
隼人の指が、竜馬の中指を押す。アナルに先を挿れたまま止まっていた指がくぷりと押し込まれる。
「あっ」
「こっちを忘れるくらい、乳首が感じるのか?」
くいくいと揺らす。
「〜〜っ」
「ああ、これが足りないのか。気がつかなくて、悪い」
芝居じみた口調でローションのボトルを顔の高さまで持ち上げる。竜馬の視線が追いかけてきたのを確認し、搾り出す。ぷちゅ、と押し出されたローションが陰部目掛けて一直線に落ちてきた。
「ひゃっ」
熱くなっている肌には冷たくて、竜馬が身をすくめる。
「もっとか?」
ペニスの先にも垂らされる。
「うっ……ん……っ」
重力と竜馬の身じろぎによって透明な液体が流れていく。だが粘度があるためすぐには落ちず、肌の表面をくすぐり続ける。
「ふ……っ、ん、ん」
とろとろと伝って竿の根元、その下の膨らみ、それから竜馬の指へ。
「これで滑りがよくなるだろう?」
「ふあっ」
隼人が遊ぶ。手のひらであやすように亀頭に触れ、下腹部を撫で回す。汗と先走りでしっとりとしていた陰毛にも柔らかいローションが塗りたくられ、濡れそぼっていく。美しく筋肉のついた胸と腹が荒い呼吸とともに上下した。
「見せてくれよ」
隼人の指が輪を作り、竜馬のペニスをしごく。
「う……はあっ、あっ」
「なあ」
「んっ、んあっ」
軽い力でこすり上げると、もどかしそうに腰がうねった。
「てめ……っ、邪魔、すン、あっ……あ」
「ああ、そうか。悪かった」
からかうように、きゅう、とペニスを締めつけてから隼人の指が離れた。竜馬は涙の浮いた目で睨みつける。だが文句は出てこない。代わりに、その指がアナルに沈んだ。
「ああっ、あ、あ」
くちゅりと音が鳴る。入り切らないローションが溢れて尻の割れ目に消えていく。下腹が蠢くと濡れた肌が光った。
「んんっ……、は、あっ!」
薬指も加えて押し込む。びくん、と足先が突っ張った。
「竜馬」
隼人の手が脛から這い上がる。
「ん、ん……」
「いつも、何を思い浮かべている?」
「え……」
膝頭を丸くなぞる。
「んっ」
「何にかき回されている?」
「な、何って……、ん、んぁ」
「ここだ」
隼人の左手が、竜馬の右手に重ねられる。
「何にかき回されているところを想像しているんだ?」
ふうっと隼人の唇から熱い吐息が零れた。
「——ッ」
意味を悟り、竜馬の顔が羞恥に歪む。
「なあ」
指が手を這う。時折、止まっては煽るように皮膚を撫でる。じりじりと責め上る感覚に竜馬からも吐息が溢れた。
「俺の指か? それとも、チンポか?」
「ッッ!」
ぎゅっと目を瞑り、顔を背ける。言葉で聞くととんでもなく卑猥で、その行為に耽る自分はもっと淫らなのだと思い知る。
なのに、指は動き続ける。
「うっ……、あっ、あっ……!」
ぐちゅぐちゅと聞こえる音も、隼人の声も、それから、
——隼人が、見てる。
熱の宿る眼差しも。
全部が頭の奥底をびりびりと痺れさせる。
「んあっ」
好きな部分に触れる。すっかり膨らんで刺激を待ち望んでいる。確実に狙えるように、竜馬は再び中指一本に切り替えた。
左手も間断なく動く。あと少しで達しそうだった。こうなったら昇り詰めるまではやめられない。
「あッ、あ、あぁッ」
「竜馬……イクのか?」
「ンあッ、イク、イキそ……っ、あ、あ!」
うっすらと目を開け、隼人の視線を確かめる。
——あ。
鋭く、それでいてじっとりとした目つき。
「——ッん!」
その強さに突き上げられるように軽く達する。
「あ゛、あ゛……ッ」
腰の奥からもっと大きな波が生まれそうだった。
——隼人、の。
これは隼人の指だ。竜馬をぐずぐずにする、隼人の指。
隼人に責められて、達するのだ。
「あ、あ……!」
もう一度、あの眼光で貫かれてイキたかった。恍惚に誘われて閉じていく目蓋を必死で持ち上げ、隼人を見——ぎょっと目が見開かれた。
隼人はいきり立った己のペニスをしごいていた。瞳は竜馬を見つめたまま。
「……ッ」
ぞくんっ、と背中を駆け上がる。脳の底が熱くなり、膨張する感覚に襲われる。
罰ゲームは自分のはずなのに。
——もしか、して。
感じている自分に興奮しているのか。
「竜馬」
視線で舐められる。瞬間、肉の奥が激しく疼いた。
「んッ!」
一瞬、意識が遠退く。
さっきも、今も、竜馬が「イキそう」と口走ってからだった。
「は、はや……と……っ」
「……っ、竜馬」
「ああ……っ、はや、と……ぉ」
ふたりの息遣いと、その手が発する音が絡み合う。
「はあっ、あ、ンんっ!」
——隼人が。
自分に欲情している。
その事実だけでたまらない。興奮と快感が溢れ出て止まらない。まるで身体の中が隼人に満たされているようだった。
「竜、馬……っ」
「はや…………と……ッ」
じんと痺れて、身体が宙に浮く感じがした。
「イク……、あっあっあっ、イクッ、イ……グッ‼︎」
竜馬の身体が跳ね、痙攣する。
「————ッ‼︎」
自慰では感じたことのない高み。
「ふうっ、ゔ、あ゛……あ゛ッ」
余韻と呼ぶにはまだ強い波に呑まれる。目蓋の裏には舐るような眼差しで竜馬を犯す隼人。
「う……ん、あっ、あぁ……っ」
押し上げられた場所からなかなか下りられない。繰り返し寄せる波に翻弄され、漂い、熱と涙でぼやけた視界を隼人に向けた。
「…………あ」
隼人の欲が竜馬の下腹部に放たれていた。
「……竜馬」
「ッあ!」
白く濡れた手のひらで、隼人が竜馬のペニスをしごく。ローションと竜馬の先走り、隼人の精液が混じり合い、にちゅにちゅとした音に変わった。
「ああ……っ、あっ、あっ」
腰をかくつかせながら、竜馬は肌の上の精液を指で掬う。その指を未だひくつく穴に差し込んだ。
「ああぁ……っ、あンっ」
「とんだスケベだな」
笑いを含んだ声に、竜馬が顔をしかめる。
「て、てめえだ……て、俺で、っんぅ、俺で抜い……ン、たじゃ……ねえ、か……っ」
「ああ、そうだな」
竜馬の右手をそっとどかせる。
「ン、え……?」
「だから、いいものを見せてもらった礼をしないとな」
「れい? どうい——んあッ‼︎」
竜馬のペニスを弄んでいた指が肉に潜り込む。
「あっ……あっ」
突然の感触に竜馬の全身が緊張する。その強張りをほぐすように中指が動いた。
「あっ、や、ぁ……んあっ」
「嫌なのか?」
「ん、あっ」
「嫌ならやめようか?」
「あ゛ッ⁉︎」
ぐぷ、と奥まで挿れたあとで引き抜いた。竜馬の身体がびくつく。
「あ……あっ……」
「好きだと思ったんだがな。残念だ」
上がった顎の先に口づけて、喘ぐ秘所をひと撫でした。
「…………ン……よ」
わななきの下から微かにあがる。
「うん?」
「やめ、ンな……よ」
顎を引くと、不満げな瞳が現れて隼人を睨んだ。
「ン、あ……、指……挿れて……くれ、よ」
首元に抱きつき、自分からキスをして誘う。
「礼なンだろ……」
「さっき、嫌って言わなかったか?」
「……おめえ、意地が悪ぃ……よな」
先程よりも深いキスをして、隼人の下唇を軽く噛んだ。
「隼人の…………隼人の指が、欲しい」
「竜馬」
「……ひとりでするときは、ン……いつも……隼人の指で……してる」
上気した頬がもっと赤くなった。隼人の指が秘所をくすぐる。
「ん……ン、ぁ」
ぞくぞくとした感覚に、はあ、と息が零れる。隼人は口づけでその熱さを塞ぐ。
「んぅ……ン、ん」
甘い鼻声が漏れる。隼人は再び中指をそこに差し込んだ。
「ひあんっ」
第一関節まで埋まった指がくにくにと動く。
「あっあっあっ」
抜き差ししては縁の内側を優しくこする。小刻みに竜馬の身体が震え、歓喜を伝えてきた。
「あ……、あっ、そこ……」
「ここか?」
「んっ! あ、入り口、ンとこ……、気持ち、いい……っ」
隼人は一瞬、不思議なものを見たような顔つきになり——表情を崩した。
「すっかり『入り口』か」
「え、あ——」
竜馬の顔面が一気に真っ赤になる。慌てて隼人の肩に顔を押しつけた。
「て、てめえのせい、だからなっ……、てめえが、あ、あ、んっ」
ずぷり、と指が竜馬の中に入り込む。
「ひ、あ゛ッ——」
「そうだな。俺が、こんなふうにした」
竜馬にとって最高の指が中を満たす。
「お、あっ、あ、あっ」
身体の内側から波が生まれる。小さく、大きく、竜馬を絶え間なく揺すぶる。
「ふあんっ……あっ、あっ」
「俺専用の入り口ってわけか」
竜馬は腰をうねらせて隼人の指に縋りつく。
「き、気持ち、イイ……ッ」
撫でられるのも、押されるのも。節が行き来するのも、ねじ込まれるのも。指は器用で、長い。もっと欲しくなる。
「だろうな」
隼人がニタリとする。
「お前、ひどい顔をしているぞ」
「ふっ……あ゛っ……しょうが、ねえ……んんあっ」
口の端から涎が零れ落ちていく。
「やべ……っ、あっあっ、ああぁっ!」
ぐにゅりと奥まで侵入される。
「ッ‼︎」
背中と首がぐっと反らされた。竜馬の喉仏が艶かしく動く。
「自分の指じゃここまでは届かないだろう?」
「あ゛……っ、あ゛ぁ……」
「ん? 竜馬」
「ん゛あ゛ッ」
腹の奥が熱い。かき回されるたびに疼きがひどくなっていく。足りない。もっと、もっと欲しい。
「この感じ方なら、トコロテンどころか潮まで吹きかねないな」
「っん、あっ……、し、しお?」
「今晩はお前のお漏らしが見られるかもな」
「ッ⁉︎ ざけン、な、あっ、あうっ!」
「明日の訓練は昼からだしな。時間はたっぷりある。楽しもうぜ」
「あっ! あぁんッ」
嬌声に、隼人の目が細められる。
「ここ、好きだろう?」
「ひうっ⁉︎」
「それと、ここ」
「ッあ゛っ!」
「それから、ここも」
「————ッ‼︎」
声もなく、竜馬が達する。隼人はすかさず指をもう一本増やした。
「……あ゛あ゛ぁっ」
もう竜馬の中は隼人のいいなりだった。
「んあぁ……っ、あっあっ」
「あとでちゃんとチンポも挿れてやるから、まずは好きなだけ、俺の指を食えよ」
「あ゛……あ゛あ……っ、は、はやとの……ゆび……っ」
「ああ、好きなんだろう?」
竜馬はとろけた目で頷き、言葉の代わりにキスで応えた。